去年の暮れにターザン・シリーズ第一作『類人猿ターザン』を読んでいて、先週はシリーズ第二作『ターザンの帰還』を読了したよ。
本を読むときは気になった文章のあるページの端を折って、後で抜き書きしたりするようにしているのですが、『ターザンの帰還』ではたとえば次のような文章のあるページを折ってました。
ターザンの死を聞かされて悲しむジェーン・ポーター。

(…)「彼が死んだなんて! ああ、ヘイズル、とんでもないわ! こんな恐ろしい海で、独りで死んだなんて! あの勇敢な心臓が鼓動をやめて――あの力強い筋肉が永遠に動きを止めて冷たくなるなんて信じられない! 生命と健康と男らしい力の化身だった彼が、海底を這いまわるぬるぬるした生き物の餌食になるなんて――」(…)

ロコフへの私刑をほのめかすターザンを窘めるジェーン・ポーター。

「ジャングルの奥でなら、あなた自身のたくましい筋肉以外には、正義というか司法を執行できるものはないのだから、あの男にふさわしい刑罰をあたえても当然だわ。でも文明国の支配下でいまあの男を殺したら、それは殺人になるのよ。(…)」

ターザンをはっきりと「筋肉」という言葉を使って褒める人は作中にもなかなかいないので、ちょっと面白かった。ジェーンは、婚約者のクレイトン(ターザンの恋敵)への言いざまも酷くて面白い。
さて、映画『ジョン・カーター』も公開されることだし、次は火星シリーズを読もうかな。『火星のプリンセス』は、二種類の訳で再刊されるようだ。