カウガール失踪
- メラニンもゆ模造の夜明けに梅雨明けの空の高まることを願えり
- ついたちとよっかいつかとここのかに丸あるカレンダー四月のままの
- いつの間にか筆箱を開けられている「書けないペンはすぐ捨てなさい」
- あるだけのシーツにくるまりたき君の裸の肌いろ今年の夏の
- シャープペン一本をだめにした なにか暗喩のように一本だめに
- スポンジを殺菌中の彼女は今、帰省の予定を立てているらん
- 消毒のたび指先を火傷して何かを待ちてありけむきみは
- 人知れずリピートリピートリピートをし続けていた iPod なり
- カレンダーのみ持ち去られ彼女から選ばれざるものばかりある部屋
- メラニンもやし空っぽの部屋を掃除せり誰にもひとしく朝たる朝に