悪夢。絵本、というかマイブックのような白無地絵本に手書きされた二次創作絵本というべきそれは、ある有名な絵本シリーズの循環構造を指摘し、そのループはシリーズの作者による「地獄」の表現であると主張するようである。元ネタの絵本からのコピーや拙い模写によってそのことを論証していく絵本に、唐突にそれまでと(元の絵本と)まったく違ったタッチによる「地獄の絵」が登場し、その絵自体が何度も反復して(ループして)現れる。絵本の内容がループしている。その「地獄」のループは次第に絵本を読んでいる私の現実を侵しはじめる。