• 悪夢探偵2』をDVDで観た。松田龍平演じる悪夢探偵の見る夢=彼の過去の、寝室のすみにおかれているおまると、依頼人である少女の見る夢に登場する体育館の壁際に三つ並んでいる便器。夢でトイレ、といえば「おもらし」なわけだが(夢の中で少女がコップの水をかけられてびしょぬれになるシーンもある)、おもらしという不随意な「熱い水」の流出(塚本作品で熱い水と言えば、『鉄男』のタイトルシークエンスの主人公など、「汗」が思い浮かぶが)と、「周囲を怖がることで自身が意図せず恐怖の源泉となる」という話の大筋が対応しているのだろうか、などと、なんか俗流夢診断みたいなことを「不随意に」考えさせられる映画だと思った。「警察の手に負えない事件を扱う『裏』の捜査員の一人である悪夢探偵」というような設定や前作を踏襲する「下宿先の子供に引き止められてから『決戦』へ向かう」というお約束シーンのベタさ(すげーざっくりとおざなりなんだけど)、「本当の被害者」ということになるのだろう少女に寄り添うことで事件を解決し、主人公は自分に恐怖するのではない母親の幸せな幻影を見ることができる、という結末が、なんだか無性にむず痒い。凡庸ですらあるが執拗な悪夢描写(学校の机にめり込む頭とか、現実(かっこ付きのかもしれないけど)の描写の方が凄い)でやすりがけされた感性には、むしろ序盤と終盤へ唐突に置かれている、「自分の死に気づかず夜な夜な歩きまわる、遠足中にバス事故の犠牲になった児童たち」のイメージにこそ現実味を感じる。ハンバーグ食べたい(唐突)。
  • NOVA2』のベストは津原泰水「五色の舟」でしょうか。津原泰水の文章はいかにもビジュアライズしやすそうなんだけど、私はさほど描写を思い描いて読むことはなくて、とにかくその読みやすさ、記述の腑に落ちやすさで感動してしまうところがある。
  • ひさしぶりにはてダの記事書いたら、尋常じゃないくらい書き直してしまうわ……。