読書記録:さむけ(ロス・マクドナルド)( asin:4150705046 )

ロス・マクの代表作。秋田禎信がなんかでフェイバリットのひとつに挙げていたと思う(だから、人名に魔術士オーフェンシリーズで見覚えのあるものがちらほらあるのだ)。
話が進むにつれて複雑に錯綜する人間関係に、くらくらしながら読み進める(でもこの作品はリュウ・アーチャーシリーズでも人間関係の複雑さは控えめらしいよ)。そして明かされる真相と最後の一文にニヤニヤ。すごいすごいすごい。最後の数行を書き写したいけど、ネタバレに無神経な俺でも流石にそれは躊躇われる。のでやらない。
文体は予想していたよりあっさり気味。いや、特別平易で読みやすいというわけでも面白みがないというわけでもないのだけれど。秋田禎信が影響受けたみたいなことを聞いていたからもっとこってりしているものと思っていた。でもまあ、(最近の)秋田禎信の文体は翻訳調だとか凝ってるとかいうのを超えて、もはや自家中毒起こし気味だから(捻ろうとしてやたら意味がとり辛い記述も目につくし)、比べるのもどうかなという感じか。