最近読んだ本
- 作者: 北方謙三
- 出版社/メーカー: 新潮社
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- 作者: 押井守
- 出版社/メーカー: 角川春樹事務所
- 発売日: 2012/06/01
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- 作者: 堀井拓馬
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2011/10/25
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まわりくどく書いてますが、なぜこうなるのかというと、もちろん問題が私の手に負えてないということもありますが、ネタバレを避けたいがためでもあります。設定(ヌメリヒトモドキ)と記述のされ方(一人称小説)を考え合わせればもう……いや、だから、私がこの小説でいちばん感じ入ったのは、最初の「まさか、自分がこっち側になるなんて」でも最後の「まさか、自分がこっち側になるなんて」でもなくて(だから「永井的問題意識」なんかではなくて)、この小説が、亡くなった愛する人をよみがえらせようとする物語だということだ。その試みがどんな結果を招くのだとしても、そしてそれがどのように描かれようとも関係なく、そもそも誰かが「あの人をよみがえらせたい」と思い切った様が描かれているというだけで、心動かされてしまうところが今の私にはある。なにが言いたいかというと、秋田禎信『機械の仮病』第一話は、「あの人をよみがえらせたい」と思い切ることができない男の話だったなあ、ということだ。死者蘇生の望みが、どれだけ愚かかやどれだけ罪深いかやどれだけ慎みがないかやどれだけ反社会的かについては、いろいろな観点からいろいろと言えるだろう(この小説の主人公もいちいちそれらを意識し、言い訳する。たとえば、彼がよみがえらせたい当の妻本人へも、彼は言い訳を取り繕う)。しかし、死者蘇生を心底から求めることができるということには、いろいろと言うことができる愚かさや罪深さや慎みなさや反社会性という「わるさ」を超えて、ある「よさ」があると思う。逆に言うと、死者の蘇生を心底から求めないということには、それが宗教的に、倫理的に、あるいは社会的にどれほど「よい」ことだとしても、それらを超えた「わるさ」があるように思うのだ。
- 作者: 阿部和重
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- 作者: 坂口恭平
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- 作者: 福永信
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- 作者: 木暮太一
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- 作者: マイケル・S.ガザニガ,Michael S. Gazzaniga,梶山あゆみ
- 出版社/メーカー: 紀伊國屋書店
- 発売日: 2006/02/01
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